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研修レポート

「変化」を活かす経営― 令和7年度「経営者研修」を開催
― 中島尚美講師が「変わらない」を「変える」3つの絶対条件を指南

この記事のポイント(要約)

JU適正販売店を対象とした令和7年度「経営者研修」が4月15日、TKPガーデンシティPREMIUM名駅西口(貸会議室)で開催され、適正販売店の経営者や幹部社員ら14社・18名が出席した。講師はJU愛知オリジナル研修・専任講師の中島尚美氏(学習研究所マナビスタ代表)。「変化を活かす経営~社会の変化と戦略としての教育~」と題し、コントロールできない外部環境はきちんと受け止めて適応し、自社でコントロールできる内部環境を変えていくことの重要性を説いた。社内コミュニケーション力を養う3ステップや、大阪万博の魅力を伝えるペアワーク、中古車(展示車両)の魅力をアピールするグループワークにも取り組み、「変わらない」を「変える」絶対条件として①経営者のブレない意志②成長できる環境を整える信念③変化を創り出す勇気——の3つが示された。
令和7年度「経営者研修」の会場風景と講師の中島尚美氏・高垣小売振興委員長、ペアワーク/グループワークに取り組む受講者令和7年度「経営者研修」の会場風景と講師の中島尚美氏・高垣小売振興委員長、ペアワーク/グループワークに取り組む受講者
令和7年度「経営者研修」の会場風景と講師の中島尚美氏・高垣小売振興委員長、ペアワーク/グループワークに取り組む受講者

変化は成長のために仕掛けるもの ― 外部環境をマイナス要因にしないで

JU適正販売店を対象とした令和7年度「経営者研修」が4月15日、TKPガーデンシティPREMIUM名駅西口(貸会議室)で開催されました。これには適正販売店の経営者や幹部社員の皆様など14社・18名が出席。JU愛知オリジナル研修・専任講師の中島尚美氏(学習研究所マナビスタ代表)から、変化の本質と成長に必要な条件についての知識を学ぶと共に、来るべき変化に対応を図るための体制づくりとして、「変わらない」を「変える」ポイントとノウハウについてレクチャーを受けました。

「変化を活かす経営~社会の変化と戦略としての教育~」と題した、この日の経営者研修で、中島講師は次のように切り出し、受講者の皆様の意識と認識を瞬時に変えて魅せたのです。

コントロールできない外部環境と、変えられる内部環境

自動車の小売市場、性能・技術、法規制、税制改正等々(※いま、世界を騒がせているトランプ関税を含む)、自社の取り組みではほぼコントロールできないような外部環境の変化に対しては、それをきちんと受け止め、自社なりに適応できるよう努めていく以外に手は無い——と中島講師は語りました。

それに対し、経営戦略、財務管理、スタッフ教育等々の内部環境は、自社でコントロールが可能なもので、来るべき変化に対応を図ることができる。売上や小売実績が伸びない原因を外部環境の変化のせいにしている限り、その会社は成長できない、と指摘しました。

スタッフ教育で言えば、その人の過去や性格など、いわゆる個性は変えられないが、社内・職場での役割・行動はいつでも変えることができる。人は変わらないという考え方は誤った認識で、教育・育成に問題があると考えるべき。具体的には、経営者として求めている役割を当該スタッフにきちんと提示し、当該スタッフが適応できる環境を整えるべきだと説きました。

変化は待つものではなく、成長のために仕掛けるもの。成長できない要因を外部環境に求めてはいけない——という中島講師の教えは、多くの経営者の皆様にグサリと突き刺さったようで、背筋を伸ばして、その後のレクチャーを文字通り傾聴される向きが少なくありませんでした。

「利益を生む」成長を実現する3つのステップ

社員教育・人材育成の面から「利益を生む」成長を実現するためには、3つのステップを踏んで社内環境を整えることが大事と強調されました。

まずは、JU愛知オリジナル研修の中でも採り入れている「意見交換会」を定期的に実践し、社内のコミュニケーション力を向上させること。付箋やメモ用紙の活用で意見の「見える化」を図り、対等な立場で全員が発言できる公式の社内ミーティングを重ねていけば、各種情報や個々人の考え方等を共有できるようになる。そうなれば、問題解決能力が向上し、複雑な問題の整理や課題の発見が容易になり、多角的な視点を持てるようになる、と説明しました。

コミュニケーション力がアップし、問題解決能力がアップすれば、自身の知識と経験を活かして、適切に人を育てられるようになり、利益を生む会社や職場に生まれ変わる——と中島講師は結びました。

大阪万博の魅力を伝え、中古車の魅力をアピールするワーク

この日の研修では、コミュニケーション力を養う訓練として、大阪万博の魅力を調べ、聞き手にそれを伝えるペアワークに取り組んだほか、コミュニケーション力を向上させる訓練として、特定の中古車(展示車両)の魅力をお客様にアピールするため、グループワークで当該車両の①キャッチコピー②商品特性(4点)③お薦めの言葉——を協議・検討し、それぞれのグループでまとめたものを代表者が順次発表していった次第です。

その上で、中島講師は「変わらない」を「変える」絶対条件として、①経営者のブレない意志②成長できる環境を整える信念③変化を創り出す勇気——の3つを列挙。JU愛知オリジナル研修の定期受講は、この絶対条件を維持していく上で有効な対策になることを改めて強調しました。

中島講師、2年前から「警告」 ―「今のままでいい」は衰退への道

中島氏を専任講師に迎えた、JU適正販売店「経営者研修」は、令和3年8月の第1回開催からスタートし、以来、毎年1回の定期開催が続いています。

翌4年5月の第2回開催からはJU愛知オリジナル研修の中に組み込まれましたが、2回目までは文字通りワンチームによる教育環境を整える狙いから、「個性ある適正販売店チームを築く」という基本理念に沿ってレクチャーが展開されました。そして、5年4月の第3回開催、6年4月の第4回開催、この日の第5回開催は、いずれも「違いを価値に、未来を切り拓く」という理念に変化していたのです。

参考までに、山下中商連常務理事を講師に迎えた「全店対象研修」は令和5年からスタートし、翌6年から中島講師による適正販売店「経営者研修」と、山下常務理事による「全店対象研修」の同日開催にシフトしています。

2年前の第3回研修で語られた「小さな変化から事件は起こる」

2年前の第3回経営者研修において、中島講師は次のように語っていました。

これから業界環境がますます厳しさを増す中で、お客様やスタッフの小さな変化に気付けるかどうか、その変化に的確に対応していけるかどうかが、生き残りのカギとなる。小さな変化から事件は起こる。経営者が現場の変化に気付かなければ、現場は経営者に付いてはいかない。経営者の想いに沿って、現場がやり続けることができるかどうかは、経営者の熱い想いと強い意志にかかっている——。

変化しないものは無い。「今のままでいい」という考え方は、変化に対応を図る意志が無い証拠で、そんな経営者が居る会社は必ず後退・衰退の道をたどる——。

この日の冒頭、中島講師が受講者の皆様に呼び掛けた言葉に、2年前の教えを思い出された経営者の皆様が少なくなかったはずです。

出典:JU愛知(愛知県中古自動車販売商工組合) 機関誌「あいぶら」第334号(2025年5月)