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研修レポート

厚生労働省認定「社内検定」取得へ
― JU適正販売店スタッフ研修 5巡目レポート(ステップ1〜3)

この記事のポイント(要約)

JU愛知の「JU適正販売店スタッフ研修」が令和7年度で5巡目を迎えました。前年度は受講者数の減少が心配されていましたが、厚生労働省認定の「社内検定」取得を目標に掲げたことで受講者が急増しています。ステップ1〜6をすべて修了した社員が所属する店舗は「JU愛知教育優良店」として認定され、現在27社。適正販売店76社の35.5%、つまり3社に1社以上が教育優良店にステップアップした計算です。研修の骨格は「コンサルティングセールス」の6ステップ。ステップ1で自社のブランド化、ステップ2で自店の営業風景を動画で撮影して見直す「動画チェック」、ステップ3で2〜3案を提示してお客様に「自分で選んだ」と感じてもらうプレゼンテーションを学びます。

なぜ「社内検定」なのか ― 受講者が急増した理由

スタッフ研修は令和7年度で5巡目です。前年度は受講者数が落ち込むことが懸念されていましたが、厚生労働省認定の「社内検定」取得という明確な目標を掲げたところ、受講者数が一転して急増しました。

背景には、中古車売買をめぐる消費者トラブルが相次いだことがあります。高垣・小売振興委員長は研修の場で、業界の信用が傷ついた現実を率直に指摘したうえで、「厚労省の検定がモノを言う時が来る」と語りました。第三者が認定した検定に裏打ちされた技能が、店を選ぶ側の判断材料になる日が来る、という見立てです。

受講の到達点として置かれているのが「JU愛知教育優良店の認定です。ステップ1から6までを全修了した社員が所属する店舗が対象で、現在27社適正販売店76社に対して35.5%ですから、3社に1社以上が教育優良店へステップアップしていることになります。

ステップ1 ― ブランド化は「意識改革」から

ステップ1は5月20日、TKPガーデンシティPREMIUM名駅西口で開かれました。参加したのはJU適正販売店12社、中古自動車販売士在籍店1社の計13社・総勢17名です。テーマは「自社をブランド化する」

専任講師の中島尚美氏は、いきなり販促の話には入らず、受講者どうしの「愛用品」をテーマにしたペアトークから始めました。自分が長く使っているものを語り合ううちに、ブランドとは「信頼」と「愛着」の象徴だと体感させる組み立てです。

そのうえで、自社の存在価値・夢・信条を全員で共有し、商品やサービスのメリットと満足感をお客様に伝えられるようにすること。これがブランド化の第一歩だと強調されました。ブランド化は看板やロゴの話ではなく、まず社内の意識をそろえるところから始まる、というのがステップ1の主題です。

接客技術についても、中島講師は「お客様の立場になって要望を想定し、適切な対応法を考えることが大事」と説きました。誉め言葉は「共感」を呼ぶ魔法であり、感情のつながりが信頼の土台になる ― 受講者が熱心にメモを取っていたのは、この部分でした。

ステップ2 ― 自分の店を「動画」で見る

ステップ2で行われたのが「動画チェック」です。受講者は自店の営業風景をスマートフォンで撮影し、お客様目線で自分の店を観るという作業に取り組みました。

まず代表2社の動画を全体会で評価し、その後グループに分かれて互いの動画をチェックします。「ここはいいね」「こうしたほうが良くなる」という具体的な声が飛び交い、改善意識が一気に高まりました。中島講師が繰り返し呼びかけたのは「自社の言い訳は厳禁」という一点です。

動画チェックで見つかった改善点は、その場の感想で終わらせず「チェック表」に落とし込むところまでが宿題になりました。挨拶、整理整頓、お見送りといった具体的な行動基準を明示することが指導のポイントです。

  • 「作業服では接客にあたらない」
  • 「接客時は着替えを」

このように全員が共有できる形で「あるべき姿」を定義することで、初めて来店したお客様に「感じの良い店」と思ってもらえる ― そこまでが狙いです。動画で撮って、見て、基準に書き起こす。この流れは店に持ち帰ってすぐ回せる作業でもあります。

ステップ3 ― 「自分で選んだ」と感じてもらうプレゼン

ステップ3は8月19日、同じく名駅西口で開催されました。テーマはプレゼンテーションです。

事前課題として、自社のお薦め商品やサービスをスマートフォンで撮影し、1分間でアピールする練習が課されました。コーティングであれば耐久性や艶の維持といった具体的な魅力を、短く簡潔に伝える訓練です。

研修当日のグループワークでは、あえて自動車から離れ、7種類の健康食品を題材にしました。受講者はトレーニングジムのスタッフという設定で、仮想のニーズチェック情報をもとに商品を選び、複数の提案を組み立てます。試食をして特徴を共有し、意見が割れたときの調整の難しさまで体感する内容でした。

中島講師が示したポイントは明快です。

  • 「一押し商品」「私のお薦め」はNGワード ― 売り手が1つに絞ってしまうと、お客様は「勧められた」としか感じない
  • 2〜3つの商品を提示する ― お客様が「自分で選んだ」と実感できることが、プレゼンの究極の目的
  • ニーズチェック → プレゼンの順序を守る ― 認識のギャップがないかを確認してから提案する

練習はチームで行い、褒める人とダメ出しをする人を分けるという進め方が取られました。ダメ出しに屈せず、それを超える内容を追求する姿勢を育てることが、実際の商談で成果を出す鍵とされています。チームで磨いた成功事例は、そのまま店舗の共有財産になります。

研修の全体像 ― 積み上げ式の6ステップ

スタッフ研修は「コンサルティングセールス」の6ステップを軸に構成されています。ステップ1で自社の魅力とお客様目線を学び、ステップ2で「ニーズチェック」の技術を習得。以降、信頼されるプレゼンテーション、効果的な商品説明、成果につなげる技術へと段階的に進みます。ステップ1〜6は原則として順次受講し、「極み」研修・実践研修はステップ1〜6の修了者が対象です。

あわせて、参加費無料・全組合員対象の研修も継続して開かれています。この年度は4月15日から11月18日まで、「業界知識」「大人の対応」「変化への実践」「地域貢献」といった実用的なテーマで開催されました。適正販売店向けの特別カリキュラムには「極み」言葉表現力や実践研修A/Bコースが設けられ、課題発見力・対応力の強化が図られています。

実務上のポイント

  • 受講は積み上げ式。ステップ1から順に受けることが前提なので、社員を出すなら年度初めから計画を組む必要があります。
  • 教育優良店の認定はステップ1〜6の全修了が条件。1人が途中まで受けた状態では認定に届きません。
  • 動画チェックとチェック表づくりは、研修を受けなくても自店で回せます。スマートフォン1台で自店の接客を撮り、行動基準に書き起こすところまでが型です。
  • 中古自動車販売士の在籍店も参加可能です(ステップ1には適正販売店12社に加えて在籍店1社が参加しています)。
ℹ️ この記事について本記事は機関誌「あいぶら」第334号〜第338号(2025年5月〜9月)に掲載された、令和7年度「JU適正販売店スタッフ研修」(5巡目)ステップ1〜3のレポートをもとに再構成したものです。受講者数・認定店数は当時の誌面掲載時点の数値です。研修日程・内容は変更される場合がありますので、参加をご検討の際はJU愛知事務局の最新のご案内でご確認ください。
ℹ️ お申し込み・お問い合わせ先JU愛知(愛知県中古自動車販売商工組合)事務局 小売振興委員会担当
〒490-1443 愛知県海部郡飛島村大字新政成字戌之切932番1/TEL 0567-55-2228

出典:JU愛知(愛知県中古自動車販売商工組合) 機関誌「あいぶら」第334号〜第338号(2025年5月〜9月)