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研修レポート

令和7年度「車両見極め実車研修」を開催
― 教材車両4台と3時間「格闘」、修復歴発見の糸口を学ぶ

この記事のポイント(要約)

検査委員会主幹による令和7年度「車両見極め実車研修」が2月20日、JU愛知オークション会場で開催された。組合員店5社のセールススタッフら総勢6名が参加(事務局職員3名がオブザーバーで受講)し、午後1時から午後4時まで休憩を挟んで3時間、車両検査の実習で修復歴発見の糸口を見つけるポイントやノウハウを学んだ。受講者を2つのグループに分け、教材車両4台を1台ごとに手順通り検査して損傷箇所・修理・交換・修復跡を発見する作業にチャレンジし、その都度講師陣が模範解答と見極めのポイントを解説。左Fピラーの歪み、ルーフ交換、トランクフロアなど骨格部位のチェック手順が示された。受講者数は少なかったものの意欲は例年以上に旺盛で、研修後には「大変勉強になった」「実車研修をもっともっと受けたい」との感想が寄せられた。
教材車両を1台ずつ検査する受講者と、直後に「ポイント&ノウハウ」を解説する講師陣教材車両を1台ずつ検査する受講者と、直後に「ポイント&ノウハウ」を解説する講師陣

受講者6名、想いは過去最高級

車両見極め初級研修受講修了者(※中古自動車査定士資格保有者も可)を対象とした、検査委員会主幹による令和7年度「車両見極め実車研修」が2月20日、JU愛知オークション会場で開催されました。

これには組合員店5社からセールススタッフの皆様など総勢6名が参加(※事務局職員3名がオブザーバーで受講)。午後1時から午後4時まで、休憩を挟んで3時間、車両検査の実習で修復歴発見の糸口を見つけるポイントやノウハウなどをみっちりと学びました。

受講者のうち5名は10日前に「車両見極め初級研修」(※小売振興委員会主幹)を受講したばかりで、そのうち2名は12月24日、豊橋市内で開催された「出張検査講習」にも参加されていたのです。また、残りの1名は過去に実車研修を受講し、この日が2度目の研修体験でした。

つまり、今回は受講者数こそ少なかったものの、受講者の皆様の意欲は例年以上に旺盛で、講師を務めた事務局職員陣も熱い解説を展開することができたようです。

教材車両4台と3時間「格闘」

研修は今回も実車検査に重点を置き、受講者の皆様には教材車両4台と格闘していただきました(※他の1台については、ルーフ交換の車両状態とそれを見極めるポイントだけを説明)。具体的には、受講者を2つのグループに分け、1台ごとに手順通り車両検査を進める中で損傷箇所、修理・交換・修復跡を発見する作業にチャレンジしてもらい、作業を終える度に講師陣がその模範解答と、それらを見極めるポイントとノウハウを分かり易く説明していきました。

修復歴車の判断基準やパネル交換歴見極めのポイント等については、受講者の皆様は、この日の予習として、修復歴の判定基準と修復歴発見のポイントをまとめた、中販連制作の2つの動画を事前に自宅や会社等で視聴していたのです。

修復歴判定基準をまとめた動画は、骨格部位ごとに①修復歴となるもの②修復歴とならないもの——が、これでもかとばかりに繰り返し説明されるため、受講者の皆様は「カードサイズ未満の凹みや修理跡」「突き上げによる凹みやキズ、修理跡」等は修復歴に該当しないことをきちんと理解されていたようです。

初級研修で学んだことと予習動画の内容が頭に残っていれば、「教材車両4台との格闘もそれほど難しくはないだろう」と思われる組合員の皆様も多いかもしれませんが、実際はそんなに簡単なものではありません。オークションでは、各会場が出品車両の検査結果と品質評価を情報・データとして提供してくれますが、研修の教材車両にはそれがありません。そのため、これまでに実車研修を受講された多くの皆様が、情報・データの無い車両と向き合う難儀さや、AA検査員の苦労を痛感されているのが実情です。

修復歴「発見の糸口」…基本的な「知識&技術」を教習

今回の研修では、修復歴「発見の糸口」を分かり易く解説することにも重点が置かれました。事故等による衝撃は、外部から内部へと波及し、損傷修復の作業は内部から外部の手順で執り行われます。外板パネルの交換跡を見落とすと、骨格部位の修復跡を発見できないことになります。ドアに衝撃が加わると、ドア取付部のヒンジを介して内部のピラーに衝撃が波及し易いため、Fピラーの損傷をチェックする際には、ドア取付部のヒンジ周辺をしっかり確認して下さい。

教材車両の一例では、ネジ止め外板部位の左Fフェンダーと左Fドアに「交換跡」を発見。その内側の左Fピラーは「骨格部位」であり、損傷の波及を疑って入念に確認すべしとされ、左Fドア取付部の左Fピラーに損傷を発見して「これは修復歴車です」と判定されました。

また、ルーフが交換されている修復歴車では、助手席の上の天張りをめくると「再溶接跡」を発見。「これは、骨格部位のルーフが交換されているため、修復歴車です」と示されました。ルーフ交換跡を車室内からチェックする場合は、運転席・助手席側の天張りをめくるのが基本的な対応ですが、運転席側はハンドルやメーター等が邪魔になる場合があります。また、運転席側の天張り内には、ETC、ドライブレコーダー、テレビアンテナ等の配線が助手席側と比べて多く配されている場合が多いため、当該配線を傷つけないためにも、助手席側の天張りをめくってチェックされることをお勧めします。

講師陣から受講者の皆様への「ポイント&ノウハウ」に関するレクチャーは、交換跡や修復跡に限らず、車両検査の手順と方法についても分かり易く展開されました。「リヤ部分のチェックでは、ネジ止め外板パネルのトランクリッドを開けて、骨格部位のトランクフロアをしっかりと確認して下さい。トランクフロアの先端部は、外部からの衝撃・損傷を受け易い箇所なので、特に注意して下さい」との解説もありました。

「そんなに簡単にはいきません」講師陣が示した4つの流れ

今回の受講者の皆様も熱い想いだけでは修復歴車を発見できないことを痛切に感じられたようで、研修後には「大変勉強になった」「実車研修をもっともっと受けたい」といった感想を口にされていました。

思うようにいかない胸の内を吐露する受講者の皆様に対し、講師陣からは「そんなに簡単にはいきませんよ。私たちも失敗から学ぶことが多いです」と、日頃の検査業務の苦労や失敗談を笑顔で語り掛け、経験を積み重ねていく上で、修復歴の見落とし等を減らせるように努力していくことが大事である旨を示唆していました。

その上で、修復歴発見のポイントについては、①新車時との違いを見つける(違和感を大事にする)②事故等の衝撃による損傷具合を予測する③予測した箇所の修理・交換状況を確認する(外板・骨格重視)④修復歴判定基準に沿って修復歴か否かを判断する——の流れを、常に意識してクルマと向き合うように改めてアドバイスしました。

最後に、きちんと手順を守って車両検査を行えば、外板パネル交換を見落とす確率が低くなること、また、パネル交換歴については、ネジ止めパネルは①ネジの回し跡②シーラントの硬さ・形状③パネルの下地色、溶接止めパネルは①溶接跡②シーラントの硬さ・形状③パネルの下地色——の3つをそれぞれ重点的にチェックすれば、効率良く修復歴を見極められるようになることを強調した次第です。

撮影写真に「親心」と「仲間意識」

今回も講師陣の要となった駒月次長と高主課長代理は、今回は写真撮影も担当。高橋主任の奮闘ぶりを写したショットが多いのは、そのためですが、共に日々出品車両の検査業務に従事していること、また、高橋主任にも研修講師としても成長して欲しいという願いもあって、撮影写真には二人の「親心」と「仲間意識」を垣間見ることができます。

研修講師は、単に教えるだけでなく、受講者の皆様に交換跡や修復跡をしっかりとご覧いただけるように、いろいろと姿勢を変え、常に最適なポージングを追求しています。今回の写真を見ると、高橋主任のポージングから「次はどこを、どう解説するか」を瞬時に読み取り、最適なシャッターチャンスを追い求めたことが分かります。まさに、AA検査員同士だから分かり合える瞬間であり、研修講師の苦労と難しさを共有できている間柄だからこそ撮影できたショットと言えます。

なお、今回は受講者数が少なかったため、検査研修中の事務局若手職員3名も受講者の皆様と一緒に勉強をさせていただきました。ご理解を賜りました受講者の皆様方に、心から厚く御礼申し上げます。

出典:JU愛知(愛知県中古自動車販売商工組合) 機関誌「あいぶら」第343号・344号(2026年2月・3月)