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品質・検査

令和6年度「検査&スキャンツール講習会」を開催
― 11社15名が教材車両4台と3時間。修復歴発見の近道は「外装の跡」、若手職員の講師デビューも

この記事のポイント(要約)

検査委員会主幹による令和6年度「検査&スキャンツール講習会」10月25日JU愛知オークション会場AAルームで開催されました。組合員店11社から総勢15名(経営者・セールススタッフ・サービススタッフ)が参加し、休憩を挟んで約3時間教材車両4台を使った車両検査の手順・手法と、外部故障診断機(スキャンツール)の基本操作を体験学習。講師陣は「外装パネルの修理跡・交換跡を見抜くことが、内部の骨格部位の修復歴を発見する近道」と繰り返し強調しました。この講習会はコロナ禍以前の「検査・査定講習会」と「スキャンツール講習会」を統合し、座学を大幅に削減して事前の予習動画に振り替えた新しい設計になっています。

「観るのとやるのでは大違い」 ― 実車4台と向き合う3時間

参加したのは組合員店11社の15名。経営者、セールススタッフ、サービススタッフと立場はさまざまです。

受講者は休憩を挟んで約3時間、教材車両4台と格闘しました。キャリアの浅い若手スタッフからは「観るのとやるのでは大違い」という率直な感想が上がっています。動画や資料で手順を知っていることと、実際の車両の前でその手順を最後まで回せることは別だ、というのがこの講習会の出発点です。

修復歴発見の近道は「外装の跡」

講師陣が一貫して強調したのは、外装パネルの修理跡や交換跡を見抜くことが、内部の骨格部位修復歴を発見する近道であるという点でした。

骨格(フレーム)の修復歴は、外から直接見える部分ではありません。しかし、骨格に損傷が及ぶような衝撃を受けていれば、その手前にある外装パネルにも必ず手が入っています。そこで、次の3つを確認するノウハウが、事務局職員の実体験を交えて解説されました。

ネジ止め外装パネルの交換跡
溶接止め外装パネルの交換跡
外装パネルの補修跡

これらのポイントは予習動画でも事前に強調されており、受講者の多くは動画の内容を頭に残した状態で実車に臨んでいました。座学で聞いた知識を、そのまま手を動かして確かめる ― 動画予習と実習を組み合わせた設計が効いた場面です。

スキャンツール(外部故障診断機)の基本操作

実習のもう一方の柱が、外部故障診断機(スキャンツールの基本操作です。教材には「G-scan」が使われました。

スキャンツールは、車両の各制御ユニットに記録された故障コードを読み出す機器です。先進安全装備(ADAS)を積んだ車両が中古車市場の主流になるなかで、外観では分からない不具合や、過去に発生した異常の履歴を確認する手段として、販売店側にも扱えることが求められるようになっています。この講習会が「検査」と「スキャンツール」をひとつにまとめている理由も、そこにあります。

若手職員の講師デビューという人間ドラマ

実習の講師は当初4名体制で始まりましたが、最後の車両検査で、若手の澤職員が1組限定の講師を務めることになりました。

駒月課長が自身の担当を澤職員に打診したところ、即座に「やってみたいです」との返答があり、その場で実現したものです。日頃の勉強熱心さを評価されての抜擢でした。当日は先輩講師に熱視線を注ぐ場面もありましたが、受講者からは「いきなりの指名交代で大変だったと思いますが、上手に説明できていました。上々の講師デビューです」という声が寄せられています。

座学を削り、動画予習に振り替えた講習設計

この講習会は、コロナ禍以前に別々に開かれていた「検査・査定講習会」と「スキャンツール講習会」を統合し、半日で両方の重要部分を効率的に学べる構成に組み直したものです。

具体的には、座学を大幅に削減し、修復歴の判定基準と発見ポイントをまとめた動画を事前に視聴してもらう形に変更。当日は実質的な座学をほとんど設けず、時間のすべてを実践に充てています。受講者の拘束時間を短くしながら、手を動かす時間はむしろ増やす ― 店を空けて研修に出す側の負担を意識した設計です。

出典:JU愛知(愛知県中古自動車販売商工組合) 機関誌「あいぶら」第329・330・331号