JU愛知オリジナル車両検査動画プロジェクト 令和7年度の全6作品が完結
― Fインパネとルーフ、「修復歴を発見する糸口」の見極め方
この記事のポイント(要約)
※動画はJU愛知組合員向けの限定公開です。視聴用のQRコード・URLは機関誌「あいぶら」誌面およびJU愛知事務局のご案内でご確認ください(本記事には掲載していません)。
AA検査員が自ら企画・実演・撮影・編集する「手作り」のプロジェクト
車両検査動画プロジェクトは、「組合員の皆様に車両検査のことをもっと理解して欲しい」という熱い想いのもと、交換跡や修復歴を見極めるポイントを2年間にわたってオリジナル動画で説明していく取り組みです。
特徴は、外部の制作会社に委ねるのではなく、JU愛知事務局のAA検査員(事務局職員)自身が、企画から実演、撮影、編集までを手掛けている点にあります。日々オークション会場で実車と向き合っている検査員が、自分たちの言葉で、自分たちが見ているポイントをそのまま伝える構成です。
各作品はいずれも2分30秒前後のショート動画にまとめられており、業務の合間や移動中でも1本を見終えられる長さになっています。
シリーズ5「Fインパネ確認ポイント」― 後塗りシーラントをどう見分けるか
シリーズ第5弾のテーマは「フロントインサイドパネル確認ポイント」。略称「Fインパネ」は溶接止めパネルであり、修復歴の対象となる骨格部位です。エンジンルーム内の左右、フロントフェンダーの内側に位置し、タイヤハウスの内側にもあたります。
Fインパネを交換した際には再溶接を要します。その修復跡がはっきり残るのが後塗りシーラントで、新車生産時の純正シーラントと全く同じように施すことは容易ではありません。裏を返せば、シーラントの状態は交換歴を語る有力な手掛かりになるということです。
ただし、純正シーラントの形状等をご存知ない方には、どれが純正で、どれが後塗りかは判断し難いところです。動画は、まさにその「形状を知らない人がどうすれば違いを見分けられるのか」に答えるつくりになっています。
「答はひとつじゃない」― 比較対照する箇所を意図的に増やす
制作スタッフが動画で示すのは、左右の比較対照だけでは判断できない場合に、違う箇所で比較対照すればよいという考え方です。Fインパネであれば、見極めるポイントを意図的に増やすことができます。
今回は、エンジンルーム内の確認とタイヤハウスの確認、それぞれの作業からFインパネの交換跡を簡単に見極められる車両を見つけたため、シリーズ4と同じスタッフで撮影を行い、約2分半のショート動画にまとめられました。解説を担当した主任が見極めのポイントを分かりやすく説明し、別の主任が撮影を担当、課長代理がシーラントの形状がよく分かる画像を効果的に組み入れています。
なお制作スタッフからは「音声無しで視聴されると、動画がフリーズしたように思われるかもしれませんので、ぜひ周囲に迷惑を掛けない音量でご覧ください」との案内が添えられています。
シリーズ6「ルーフ確認ポイント」― 出合う確率は低いが、見落とすと痛い
シリーズ第6弾のテーマはルーフ交換です。ルーフ交換の修復歴車に出合う確率は低いものの、見落とすと痛い目に遭う部位でもあります。日常的に遭遇しないからこそ、見方を知らないまま通り過ぎてしまいやすい、ということです。
動画では、ルーフの見た目の違和感から新車の状態との違いを探し、最終的に再溶接跡を発見して修復歴車であると判断するまでの流れを、3本に分けて紹介しています(ルーフ交換編①〜③、視聴時間は各2分30秒)。ルーフも溶接止めパネル=骨格部位です。
制作スタッフからは「セリフの字幕に誤りが多く、おちゃらけたシーンも含まれていますが、温かい目でご覧いただければ幸いです」とのコメントが添えられており、手作りならではの雰囲気も本シリーズの持ち味となっています。シリーズ6では新たに1名の主任が初出演しました。
令和7年度に提供された動画の一覧(全6作品)
| 区分 | 制作元 | 提供動画の名称(内容) |
|---|---|---|
| シリーズ1 | JU中販連 | 「検査の手順と確認ポイント」「自動車の修復歴判定基準」 |
| シリーズ2 | JU愛知 | ドア・Fフェンダー・Rフェンダー確認ポイント |
| シリーズ3 | JU愛知 | Fピラー・センターピラー確認ポイント |
| シリーズ4 | JU愛知 | Rフロア・Rサイドメンバー確認ポイント |
| シリーズ5 | JU愛知 | Fインパネ確認ポイント |
| シリーズ6 | JU愛知 | ルーフ確認ポイント |
令和7年度は上記の6作品が提供されました。都合により提供動画の内容や順序を変更する場合もあります。
令和8年度は「車両検査の手順&方法」に重点
プロジェクトは2年間にわたる取り組みとして続きます。令和8年度は、これまでの「部位ごとの見極めポイント」に加えて、「車両検査」の手順&方法にも重点を置いていく考えが示されています。
個々の部位の知識は、検査の全体手順の中に置かれて初めて実務で使えるものになります。どの順番で、どこを、どう見るのか ― 次年度はその「流れ」の部分が補われることになりそうです。