消費者向け相談
中古車の契約をキャンセルしたら「車両価格の30%」を請求された
― キャンセル料はどこまで支払う必要があるのか
この記事のポイント(要約)
中古車の売買契約を交わした後にキャンセルを申し出たところ、販売店から「販売価格の30%相当額のキャンセル料」を求められた ― この請求はそのままでは通りません。販売店が受け取れるのは、消費者契約法を踏まえると、同種の契約解除で通常生じる「平均的な損害」として立証できた額までで、それを超える部分はキャンセル料という名目でも受領は不相当です。ただし「キャンセル料が一切かからない」という意味ではありません。登録費用や着手済みの整備費用など、実際に生じた損害の賠償は求められえます。まずは金額の内訳と算定根拠の提示を求めましょう。JU中販連(日本中古自動車販売協会連合会)「中古車なんでも相談」の相談事例をもとに整理しました。
1. 相談内容
🙋 相談自動車売買の契約書を交わしましたが、その後にキャンセルを申し出ました。販売店からは「販売価格の30%相当額のキャンセル料を支払うならキャンセルに応じても良い」と返答がありました。このキャンセル料の請求は妥当でしょうか。
2. 回答 ― 30%を「当然に」請求できるわけではない
販売店は、販売価格の30%相当額を当然に請求できるわけではありません。
たとえ買主との協議が成立したとしても、販売店が受け取ることができるのは、「平均的な損害」を立証した場合に、その立証できた平均的な損害額までです。これを超える金額は、解約料・キャンセル料といった名目であっても、消費者契約法を踏まえると受領は不相当というべきです。
⚖️ 根拠 ― 消費者契約法第9条第1項第1号消費者が契約を解除したときの違約金・損害賠償額の予定について、同種の契約の解除で事業者に生じる「平均的な損害の額」を超える部分を無効と定めています。
正確には「30%だから無効」ではなく、平均的な損害の額を超える部分が無効になります。契約から日が浅いキャンセルで車両価格の30%もの損害が現実に生じているとは考えにくく、根拠を示せない決め打ちの金額は通らない、と理解しておくべきです。
正確には「30%だから無効」ではなく、平均的な損害の額を超える部分が無効になります。契約から日が浅いキャンセルで車両価格の30%もの損害が現実に生じているとは考えにくく、根拠を示せない決め打ちの金額は通らない、と理解しておくべきです。
3. 注意 ― 「キャンセル料ゼロ」という意味ではない
一方で、ユーザーがキャンセル料を一切請求されない、ということでもありません。
そもそも売買契約が成立した後は、買主側(売主側も)が自由にキャンセルすることはできないのが原則です。契約書にキャンセル料を支払って解除できる定めがあれば、平均的な損害を超えない範囲のキャンセル料を支払うことで解除できます。
また、自動車売買ではキャンセル料の額をあらかじめ定めることが非常に困難なため、販売店がキャンセルの申し出を受け入れる場合でも、キャンセル料は改めて協議で定めるのが実務です。その際、販売店側には根拠となる損害額を合理的に算出して示すことが求められます。
💡 買う側の実務対応・請求された金額の内訳と算定根拠(登録に要した費用・着手済みの整備費用・他の販売機会の喪失など)を書面で示すよう求める
・根拠が示された実損部分については、誠実に協議する
・折り合わない場合は、お住まいの消費生活センター(消費者ホットライン 188)や、販売店が加盟する組合(愛知県内ならJU愛知)に相談する
・根拠が示された実損部分については、誠実に協議する
・折り合わない場合は、お住まいの消費生活センター(消費者ホットライン 188)や、販売店が加盟する組合(愛知県内ならJU愛知)に相談する
4. そもそもの予防 ― 契約前に確認しておくこと
- 注文書のキャンセル条項(金額の決め打ちがないか・契約成立の時期がどう書かれているか)を署名前に確認する
- 迷いがあるうちは署名・手付金の支払いをしない(契約成立後の撤回は原則できません。詳しくは手付金を払った翌日にキャンセルできるか)
- 業界団体の研修を受け、法令に沿った注文書を使う販売店を選ぶ ― 愛知県内であればJU愛知の適正販売店が目安になります
⚖️ ご注意本記事は一般的な整理です。個々の事案で請求が妥当かどうかは、契約の内容・経緯・実際に生じた損害によって判断が分かれます。具体的なトラブルは、消費生活センターまたは弁護士等の専門家にご相談ください。