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研修レポート

コロナ禍でも猛勉強―「CS基礎研修」&「おもてなし理論研修」を安心環境でコラボ開催

CS基礎研修の会場のようすと講師の小幡浩之氏
令和2年度「CS基礎研修」の会場と講師を務めた小幡浩之氏(第278号より)

この記事のポイント(要約)

  • 2020年9月29日、名駅西口のTKPガーデンシティPREMIUM名古屋新幹線口で「CS(顧客満足)基礎研修」(8社9名)と「おもてなし理論研修」(6社7名)をコラボ開催。講師はJU中販連の小幡浩之氏(小売振興部係長)がぶっ通しで担当。
  • コロナ禍で初めての研修とあって、受付時の検温・フェイスシールドと予備マスクの配付など感染対策を徹底し、受講者が安心して学べる環境を整えた。
  • 小幡講師は「新規客の獲得が困難で収益性が悪化する今こそ、お客様一人ひとりとの接点強化が活路」「おもてなしの極意は相手都合」と説き、キャッチコピー作成や商品車提案のワークで受講者の視点を変えた。

コロナ禍で初開催 ― 検温・フェイスシールドで万全サポート

JU愛知(愛知県中古自動車販売商工組合)メンバーショップに所属する中古自動車販売士を対象とした令和2年度「CS(顧客満足)基礎研修」ならびに「おもてなし理論研修」が、2020年9月29日、名駅西口のTKPガーデンシティPREMIUM名古屋新幹線口(貸会議室)で開かれました。8年連続・通算10度目となる午前の「CS基礎研修」には8社から計9名の販売士が出席。通算6度目の午後の「おもてなし理論研修」には、午前中にCS基礎研修を受講したメンバーのうち6社・7名が引き続き参加しました。

今回はコロナ禍という状況下で初めて開かれた研修とあって、受講者の不安を少しでも解消するため、受付時に検温を実施し、グループ・ディスカッションに臨む皆様のためにフェイスシールドを漏れなく配付したほか、予備のマスクも用意。実際にマスクの紐が切れてしまった受講者もおり、予備マスクが役立ちました。小幡講師自身もグループを間近で見守る際にフェイスシールドを着用し、受講者に一層の安心感を与えました。

3段階のCS向上研修 ― 初級・中級のコラボ開催

JU中販連では、中古自動車販売士制度とJU適正販売店制度を有効にリンクさせ、販売士在籍店のレベルアップとJU適正販売店へのステップアップを側面支援するため、3段階のCS向上研修を取り揃えています。この日のCS基礎研修は初級編、おもてなし理論研修は中級編に位置付けられており(上級編は「CS行動モデル実践研修」)、いずれも小売振興委員会の主幹により開催されました。

おもてなし理論研修は座学ながら受講者の満足度が群を抜いて高く、一度に双方の研修を受ければ、受講者を送り出す組合員店にも小さな負担で大きな成果が得られるため、双方のコラボ開催が進められています。小売振興委員会は「当面はこの日のような初級・中級のコラボ開催が最適」と判断しています。

CS基礎研修 ―「接点強化」こそ活路

午前のCS基礎研修では、お客様が満足を覚えるサービスのポイントや、長期にわたってお付き合いいただくためのノウハウが分かりやすくレクチャーされました。小幡講師は、人口減少・少子高齢化・若者のクルマ離れ・買替サイクルの長期化・大手販売店の全国展開・新車ディーラーの中古車強化などで多くのJUショップが新規客を獲得できず、不本意な価格競争を強いられている現状を指摘。

その上で「新規客の獲得が困難で収益性が悪化している現状を打破するには、お客様一人ひとりとの接点強化に取り組み、自社ファンとの関係性を強化していく以外に道はない。全社を挙げてCS活動を推進し、より多くの自社ファン(固定客)との永きお付き合いを実現していかなければならない」と、熱のこもったメッセージを送りました。多くのJUショップに共通するダメ出しとして、駐車場の位置と入口が分かりにくい店・来店客用駐車場に展示車両を並べている店の多さも自身の体験から挙げ、改善を求めました。

おもてなし理論研修 ―「相手都合」に立つ

午後のおもてなし理論研修では、まず自己紹介で場をほぐし、「頭の体操」クイズ(ポテトチップスの袋のデザインがコンビニ用かスーパー向けか)や実体験の回顧を通じて「お客様目線」に立つ準備作業を行いました。小幡講師は「人間関係が深まれば、お互いが楽しい気持ちになれる。相手に対する考え方が変われば行動が変わり、結果が変わる」と、関係づくりの意義を語りました。

続いておもてなしの極意について、「サービスとおもてなしは全く異質のもの。サービスは不特定多数に提供するマニュアル対応が可能だが、真のおもてなしは1対1が基本原則で、いま・この時・この場所で一人ひとりに対応していく必要がある」「すべてのお客様をもてなそうと考えた時点で、おもてなしはサービスに変わってしまう。常におもてなしを貫くには、自分を消して相手の都合で考え、相手のことを勝手に心配して具体的に想像すること。ここから真のおもてなしが生まれる」と説きました。

総仕上げのワーク ― キャッチコピーと商品車提案

準備作業で「お客様目線」と「おもてなし」の何たるかを感じ取った受講者は、メインのワークへ突入。第1のテーマは、スマホのチラシを題材に仮想のお客様が購入したくなるキャッチコピーを考えること。販売店は機能や操作性をアピールしがちですが、お客様は「そのスマホを手にすることで、どんな喜びや満足、感動を得られるのか」を知りたがっている――販売店が伝えたいことと、お客様に伝わることは全く違うと学びました。

第2のテーマは、初めて来店した仮想ユーザーが展示場で商品車を見比べているシチュエーションから、そのお客様の事情や要望を推定し、どのような提案をすれば満足されるかを考えるもの。これこそ小幡講師が説いた「相手のことを勝手に心配して具体的に想像する」作業でした。グループで話し合う中で「そんな視点があるのか」という驚きを重ね、正解を求めるよりも、いま耳にしたことを明日からの業務に活かそうと受講者の行動は変わっていきました。さらなる高みを目指す販売士にとって、この日の研修は大きなターニング・ポイントになったかもしれません。

出典:JU愛知(愛知県中古自動車販売商工組合) 機関誌「あいぶら」第278号(2020年9月)